《安倍政権5年》「仕事は増えた」好調な中部地方 モノづくり現場の訴え|経速ナビ

2017年10月21日

《安倍政権5年》「仕事は増えた」好調な中部地方 モノづくり現場の訴え

1: 名無しさん 2017年10月21日 13:20:07 ID:0.net

《安倍政権5年》「仕事は増えた」好調な中部地方 モノづくり現場の訴え
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安倍政権が2012年12月に発足して約5年経ちました。そのときの衆院選は「日本を、取り戻す」を掲げ、公約では「経済」「教育」「外交」「安心」の再生を訴えました。政策によって日本はどのように変化したのか。“再生”はできたのでしょうか。安倍政権5年を検証します。

今回は日本のモノづくりの中心地である中部地方の現場の声から、この5年間の「経済」の実情や課題を見ていきましょう。

モノづくりの見本市は盛況

選挙戦も最終盤に差し掛かった10月18日から21日にかけて、名古屋市内で工作機械などの見本市が開かれました。

国内外の450社以上が出展する国内最大級の工作機械展で、会場には平日も人がびっしり。自動車部品を削り出す大型機械やロボットの実演コーナーには人だかりができ、航空宇宙産業など最新技術のブースにも熱い視線が注がれていました。いかにも、この地域のモノづくりの安定した強さを感じさせる光景です。

「この5年?仕事は増えたよ。でもうちは中小だから人は簡単に増やせず、追いつかないね」。名古屋市内で自動車工場向けの検査装置などをつくるメーカーの担当者は、こう苦笑いしました。

東京から出展した航空機用の工具部品メーカーの担当者も「愛知県や岐阜県は今、航空機産業が全国的にも集中している地域。国産のMRJだけでなく、海外のボーイングやエアバスから部品加工を受注している下請け企業にも次々に声を掛けてもらえる」と忙しそうでした。

生産額や求人は好調だが……

製造業を中心としたこの地域の好調ぶりは、各種の統計でも見て取れます。

愛知県の県内総生産(GDP)は2007年に38兆円に迫り、リーマンショックで09年には32兆円台へ落ち込みましたが、その後は急回復。12年に34兆円、14年には約36兆円にまで盛り返しました。全国一をキープし続けている製造品出荷額も2011年から一貫して伸び、15年は46兆円と他の都道府県を大きく引き離しています。

有効求人倍率は5年前の愛知県で1.15倍(愛知労働局、2012年8月分データ)。岐阜、三重、静岡を入れた東海4県の平均では0.96倍にとどまっていましたが、その後は愛知、岐阜、三重で常に全国平均を上回る改善を示し、直近は愛知県で1.82倍、東海4県でも1.73倍と全国より0.2〜0.3ポイント高くなっています。失業率もこの間、常に全国平均より0.5ポイント前後低い、良好な水準で推移してきました。

一方、賃金は東海3県で月ごとの変動が大きく、平均してみると横ばいで推移する中、所定内給与が持ち直すなどの動きがあります(三菱UFJリサーチ&コンサルティング、グラフで見る東海経済・2017年8月)。

しかし、「問題は賃金や人手不足などの数字ではない」と見本市の出展者の一人は指摘します。

「この5年で見ると、現場の労働者の質がガラッと変わった。背景にあるのは労働者派遣法。モノづくりの現場に短期の非正規雇用者が圧倒的に増えたことにある」

労働者派遣法は第2次安倍内閣発足直前の2012年10月、日雇い派遣の原則廃止などを盛り込んだ改正法が施行。安倍内閣になって15年9月に再改正し、派遣受け入れの上限を3年とする派遣期間の見直しや雇用安定措置の義務化などが進められました。

自民党は安倍政権の5年間で、就業者数が185万人増加したとの実績を誇っています。しかし、雇用者全体に占める非正規雇用の割合は、2012年の35.2%から減ることはなく、16年には37.5%に達しています。

「そうした影響が今、現場で著しい。必要なスキルを持った技術者が育たなくなり、創造性のある仕事ができる人材の行き場がなくなってしまった。このままでは世界との競争になんか勝てるはずがない」と出展者は訴えました。

大量消費時代から発想の転換

状況を脱却するため、業界では結束して人材育成に取り組む動きが出てきています。

愛知県と岐阜県を中心とした部品加工メーカー約70社は昨年、「中部部品加工協会」という非営利活動法人を設立。これまで個々の社内で取り組んできた人材採用や教育研修などのノウハウを共有し、全体の底上げを図るネットワークです。中小企業の若手経営者らが中心ですが、大手もサポートに加わっています。

「現場はITや自動化も進んでいますが、モノづくりの経験と技術を蓄積していくにはリアルな顔の見えるネットワークが必要です。今の若手の技術者が30代、40代になっても能力を発揮できる仕組みをさまざまにつくっていかなければ、日本のモノづくりに未来はありません」と村井正輝代表理事は強調します。

日本経済が大量生産、大量消費で成り立っていた時代には、人材もベンルコンベヤーに対応した「数」が必要でした。しかし今、世界で勝負するには斬新な発想や創造性、問題解決能力のある人材の「質」が求められています。

この課題は、今まさに日産や神戸製鋼で生じている問題と通じるような気がしてなりません。その変化に、政治も対応できなければならないでしょう。

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■関口威人(せきぐち・たけと)1973年、横浜市生まれ。中日新聞記者を経て2008年からフリー。環境や防災、地域経済などのテーマで雑誌やウェブに寄稿、名古屋で環境専門フリーペーパー「Risa(リサ)」の編集長も務める。本サイトでは「Newzdrive」の屋号で執筆

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