熱海、小田原に大きく差をつけた三島市の町づくり|経速ナビ

2017年05月31日

熱海、小田原に大きく差をつけた三島市の町づくり

1: 名無しさん 2017年05月31日 06:14:00 ID:0.net

熱海、小田原に大きく差をつけた三島市の町づくり
三嶋大社(り)


経営力がまぶしい日本の市町村50選(47)

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貪欲に取り入れるオープンなカルチャー

 静岡県三島市は、県東部の都市で面積が62.1km2、人口はこの20年間11万人前後をキープしている。奈良・平安時代は伊豆の国府、江戸時代は三嶋大社の門前町および東海道五十三次の1つでもあった。

 今は品川駅まで新幹線で37分という立地の良さや、「水の郷百選」にも選ばれるほどのきれいな水資源と豊かな自然が、人口減を抑止している一因にもなっている。

 三島市の魅力はそれだけではない。

 かつての宿場町でもあり、門前町でもある当市は、他地域の人々との交流が盛んだったためオープンな文化が根づいており、良いものは貪欲に取り入れる土壌がある。

 歴史ある土地柄にもかかわらず、常に新しい血液が流れていることが地域の活性化につながっていることは間違いない。

 一方で東京から三島までの間に位置する小田原や熱海などは、旧態依然とした硬直的な気質が弊害となり時代の流れに乗り遅れ、地域のリソースを十分に生かし切れていない。

 オープンネスの一例としてはグラウンドワーク(Groundwork)が挙げられる。当市では、「水の都・三島」の水辺自然環境の再生と改善を目的として、1992年に市民・行政・企業のパートナーシップを導入するグラウンドワークの手法を導入した。

 グラウンドワークとは、1980年代に英国で始まった実践的な環境改善活動のことで、トラストと呼ぶ専門組織が仲介となり、住民が行政や企業とパートナーシップをとりながら、地域の環境改善活動に取り組む。

 英国では、このトラストが全国に40か所以上あり、年間約4万人のボランティアの協力を得て、約3000件のプロジェクトを展開している。

 特定非営利活動法人グラウンドワーク三島は、日本で最初に英国のグラウンドワーク手法を導入し、市内8つの市民団体が中心となり、三島市や企業の協力のもと、現在では20の市民団体が関わっている。

 現在までに、ゴミ捨て場化した川の再生、絶滅した水中花ミシマバイカモの復活、古井戸・水神さん・湧水池の再生、ホタルの里づくりなど、市内40か所以上で具体的な実践活動を展開して、パートナーシップの有益性を実証している。

 これらの先進的な活動は多方面で評価され、これまでに国や県、メディア、財団などから、緑の環境デザイン賞「国土交通大臣賞」や日本水大賞「環境大臣賞」、生物多様性アワード「優秀賞」など、20を超える表彰を受賞している。

 また、平成27(2015)年から始まった「みしまタニタ健康くらぶ」もオープンな文化の一例であろう。健康機器メーカーであるタニタとの協働による健康づくりプログラムを推進している。

 会員は歩数や消費カロリーが記録される活動量計を日々持参し、健康拠点において活動量計のアップロードと体組成などを測定し、活動量と体内部のデータを関連付けし、健康グラフの推移を確認する。

 また健康拠点ではタニタ監修の食事メニューの提供や、大腰筋トレーニングの指導など、楽しみながら動く仕かけとしている。

 さらには、当市は1957年に全国の市町村の中で4番目の早さで米国カリフォルニア州パサディナ市と海外姉妹都市提携を締結し国際交流でも歴史のある都市である。そして高校においては県立三島北高校が、県内で唯一のスーパーグローバルハイスクールの指定校ともなっている。

 そのような背景もあり、平成27年にはグローバル人材育成都市を目指した事業構想を掲げた。

 市内に大学、高校等の教育機関、通信教育会社、企業研修所等が立地している地域資源を生かし、産・学・官の連携により、関係機関を構成メンバーとして組織を発足させ、当市発のグローバル人材育成を一層推進し、都市の魅力向上を図ろうとしている。

 新住民の受け入れもしかり。若い世帯の移住にあたり最大265万円(住居購入、リフォーム合わせて)の補助をし、子育て支援も充実している。

 例えば中学卒業までの医療費無料をはじめ、保育料も2人目は半額、3人目は無料など手厚いサポート体制が整っている。

 ハードよりも未来を見据えた長期視点でソフト重視の投資傾向が見てとれる。

上質なコミュニティの「ご近所力」

 このように多岐にわたるオープンな取組みの基盤になっているのが、上質なコミュニティと言える。先述のグラウンドワークをはじめ、市民が積極的に行政やまちづくりに関わっている。

 例えば、平成23(2011)〜26(2014)年度に、各小校区で活動する団体のリーダーが集まり(自治会、PTA、スポーツ関係、消防団、地域包括支援センター、老人クラブ、子ども会ほか)、地域の課題について行政と住民が意見交換を行う「きずなづくりトーク」を開催した。

 全部で14の小学校区で各8回実施され、「地域の取り組み・課題集」として小学校区ごとに15ページほど報告書がまとめられた。

 そして平成27(2015)年度からは「地域コミュニティ連絡会」と名称を改め、各々の活動状況を報告し情報共有の場とするとともに、地震対策・高齢化・防犯・交通安全など地域が抱える課題を話し合い、課題解決に向けた方策を検討している。

 地域のことは地域で考え、課題解決に向けた取り組みを実践する「ご近所力」を高めるとともに、先進的な事例や、会議を通して実践された新たな取り組みを全市的に普及啓発している。

 また、「ガーデンシティみしま」という取組みでは、美しく品格あるまちづくりを目指し、公共空間や遊休地、未利用地での花壇づくりや、地元企業が社有地に花を植えたり、子供向け花育講習会を開くなど、市民がボランティアで花を植える活動を推進している。

 その結果、公共花壇(市が管理)25か所、地域花壇(市民が管理)87か所、企業花壇(企業が管理)15か所に至っている。

 また、街中にある有機野菜の直売所の数々も信頼関係が成り立っている上質なコミュニティだからこその光景である。都市部から移住してくる新住民にとっては、このような直売所があるだけで新鮮な野菜を手にすることができる貴重なスポットと思われる。

お金かけずにQOL(クオリティ・オブ・ライフ)向上

 三島市は、財政の強さを示す財政力指数※1(後述の財政事情を参照)も他の自治体に比べて優れている。先にも述べたが、ハード面に多額な資金を投じることをせず、企業や市民の力を上手に活用し、QOL向上を図っている。

 例えば、三島市観光情報として紹介されている、お薦め遊歩ルートは、むしろ市民が地元を楽しむためのようにも見える。

 「街中せせらぎ」コース、「路地裏から歴史を感じる」コース、「清住緑地で春を感じる」など四季折々のコース、「富士山をのぞみながら三嶋大社周辺散策」の4コース、「箱根夢街道」のような先人の歴史を辿りながら歩く2コースなど、合計で14種類もの散策コースがある。

 これらは特に大きな投資をすることなく、既にある地元の隠れた宝を掘り起こし再編集しストーリー化するだけで、観光資源にもなり、市民の散策を促し健康増進にも寄与すると思われる(実際、各散策コースマップには消費カロリーも記載されている)。

 身の丈に合った財政規模でも、十分に地域の魅力を高めることができる好例ではなかろうか。

【三島市の財政事情(2014年度)】――――――――――――――――――――――

先にも述べたが三島市は、財政の強さを示す財政力指数※1が0.91と、全国の類似団体の平均0.74を大きく上回り財政力が勝っている。さらには、経常収支比率※2は、1992年度から1993年度にバブル期が崩れる以降も、三島市は類似団体よりも一貫して7〜10ポイント下回っており、2014年度も以下の通り、10ポイント低く、財政の弾力性が維持されている。

○経常収支比率 81.6%(三島市) ⇔ 91.6%(類似団体)

これは、以下の通り扶助費や補助費などが毎年のように類似団体に比べて格段に少ないことに起因する。

 <人口1人当たり性質別歳出(単位:円)>
○扶助費 66,387(三島市) ⇔ 94,469(類似団体)
○補助費等 15,944(三島市) ⇔ 27,676(類似団体)

これらの歳出が少ない理由として、まず絶対的な福祉を必要とする生活保護者や障害者福祉サービスを必要とする人、ボーダーライン層が少ないために扶助費が低いことと、さらには市の単独補助金に対して厳しい見直しを行っているために補助費等が抑えられていることなどが考えられる。

※1 財政力指数=基準財政収入額÷基準財政需要額(3ヶ年の平均値)
基準財政収入額…自治体の標準的な収入である地方税収入の75%などを対象とする。
基準財政需要額…人口や面積などにより決められる標準的な行政を行うのに必要と想定される額。
※2 経常収支比率…財政構造の弾力性を判断する指標で毎年度経常的な収入に対し、人件費や扶助費(生活保護費など)、公債費(借金返済費など)のように、経常的に支出しなければならない経費が占める割合
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

参照、出典

・三島市HP(https://www.city.mishima.shizuoka.jp/)
・グラウンドワーク三島HP(http://www.gwmishima.jp/)
・みしまタニタ健康くらぶ推進事業(
https://www.chiikinogennki.soumu.go.jp/jirei/shizuoka/22206/2016-0323-1425-12.html)

筆者:大和田一紘

2: 名無しさん ID:7c576777

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富士山の伏流水が流れて、ウナギがおいしい印象だね。

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